0.本文に入る前に 最初にお断りをします。この記事では、直接的な性暴力の被害経験の触れています。性暴力についての記述を読んだときに、気分が悪くなったり感情がセーブできなくなったりすることがあります。被害経験がある人はもちろん、そうでない人もご注意ください。(そうした記述を、身を守るために読まない、という選択もあるべきだと、私は思っています) 次に上記以外の理由で読む気がない人向けに、結論を書いておきます。 【結論】 性暴力において、被害者を出さないための、決定的な方策はいまだみつかっていない。他者と信頼関係を結ぼうとする中で、加害者は被害者に性暴力をふるう。加害者が性暴力という行為に至るメカニズムは、判明していない。他者とのつながりを求める限り、親密な関係におけるレイプは、防ぎきれない。だが多くの人々は、他者との親密な関係を拒絶することを、選ばないだろう。そこで、性暴力の危険性を認知しなが
アカデミー賞を受賞したドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』に対して、まだ日本公開もされていない段階から複数の批判が行われている。しかしながら、同じ未見の立場からしても見当違いな批判が散見されるので、いくつかの論点で簡単な説明を試みたい。 もちろん報道された範囲で批判することは自由だ。制作者の発言へ反論することも自由だ。しかし、実際の制作者や映画とは明らかに異なる虚像を批判しても、反論として成り立たないだろう。ドキュメンタリーというジャンル自体への無理解による批判にいたっては、『ザ・コーヴ』一作品にとどまらない問題ではないだろうか。 まず、『ザ・コーヴ』自体の話へ入る前に、アカデミー賞受賞に関して少し。報道によれば、太地町公民館の宇佐川彰男館長は「これで、アカデミー賞の名声も地に落ちた」と述べたという*1。 しかし、そもそもアカデミー賞はハリウッドの内輪で行うイベントとしての性質も強い。ハリウ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く