【ニューヨーク=長戸雅子】18日付の米紙ニューヨーク・ポストに掲載されたチンパンジーの風刺漫画が人種差別的と物議をかもしている。米国では、人種差別主義者が黒人を猿にたとえてきた背景があり、公民権運動指導者らは強い反発を示している。 問題の漫画は米コネティカット州で16日、CMにも出演したことのあるチンパンジーが飼い主のもとを訪れた女性に大怪我を負わせた後、警察官に射殺された事件をモチーフにしたもので、チンパンジーを射殺した2人の白人警官が「次の景気対策法案を書いてくれる人を探さなければ」と話している。 オバマ大統領は17日、総額7870億ドル(約72兆円)規模の景気対策法案に署名しており、チンパンジーをオバマ大統領に見立てたと受け取れる。 全米黒人記者協会はAP通信に、「米初の黒人最高司令官を死んだチンパンジーに例えるとは人種差別主義者のたわごとにほかならない」と非難した。 黒人市民運動家