東京都墨田区の吾妻橋周辺。空襲で破壊された地域を斜線で示している。45年5月に撮影した航空写真をもとに作ったという=いずれも米テキサス大学オースティン校提供原爆投下後の広島の被害状況。赤は完全に破壊された地域、薄い赤は部分的に破壊された地域 米軍は第2次大戦中から戦後にかけ、空襲や原爆で壊滅した日本各地の都市を上空から撮影し、多色刷りの詳細な地図を作っていた。その中に、東京都墨田区周辺の地図もある。64年前の1945年3月10日、約10万人が犠牲となった東京大空襲の被害の広がりを物語る地図だ。 観光客でにぎわう浅草・吾妻橋かいわい。だが、米陸軍地図局(AMS)が作った墨田区周辺の1万2500分の1の地図を見ると、一帯は「焼失」を示す斜線で埋め尽くされている。 注意書きによると、地図は45年3〜5月に米軍が撮影した航空写真5枚と、30〜40年代に日本陸軍陸地測量部が作った地図、さらに米