後世に伝えたい言葉がある。沖縄の先人たちが残してくれた大切な島言葉。言葉に罪はないが、言葉が独り歩きを始めた時、その言葉は本来の質感を失っていき、そして異なった意味を含んだ別のものになってしまうことがある。「なんくるないさ」は、今や「なんとかなるさ」という意味で使われることが多いが、本来は「まくとぅそーけーなんくるないさ」の定型句を構成する言葉である事を知らない人も多いのではないか? 人として「まくとぅそーけ=正しい事、真(誠)の事をすれば」「なんくるないさ=何とかなるさ」を意味する。「挫(くじ)けずに正しい道を歩むべく努力すれば、いつか良い日が来る」という意味である。単に「何とかなる」と言う楽観的見通しを意味する言葉ではない。 本当は、自分たちの力じゃあどうにもならなくなった時に、目上の人や、周囲の人たちが、祈りとともにかけてあげる言葉なんだという事を知り、その言葉の持つ音の柔らかさと、