米グーグルは2014年9月2日(米国時間)、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校のJohn Martinis教授のチームと提携し、量子コンピュータのハードウエアの独自開発を始めると発表した。Martinis教授は超伝導回路による量子ビットの研究者で、東京大学の中村泰信教授によれば「超伝導回路による量子ビットの集積化に関して、現時点で世界で最も進んだ成果を挙げている」という。 超伝導回路による量子ビットは1999年、当時NECの研究所に所属していた蔡 兆申(ツァイ・ツァオシェン)氏(現所属は理化学研究所)と中村氏が世界で初めて実現したものである。Martinis教授は2014年7月、5個の量子ビットを搭載する超伝導回路を開発し、量子ビットを高い精度で制御することに成功したと発表している。 いわゆる「量子ゲート方式」の量子コンピュータを実現する上では、量子ビットのエラー訂正技術を実現する必要が