中国では大気汚染によって年間40万人が命を落としている――そんなショッキングなニュースが流れたのは昨年初冬のことだ。この数字は中国の全人口の0.4%に当たり、日本における自動車乗車中の自動車事故死亡率とほぼ同率である。しかし、これを対岸の火事と看過することはできない。大気汚染は当該国および隣接国のみならず、地球規模で影響が現れることが最近の研究で明らかになっているのだ。今回は深刻化する大気汚染の問題について東京大学先端科学技術研究センター地球大気環境科学分野近藤研究室の近藤豊教授と、竹川暢之助教授に話を聞いた。