製菓学校に通う爽太は、想い続けていたサエコと念願叶って付き合うことに。しかし、恋人として進展しないまま、結局サエコにフラれてしまいます。それをきっかけに、爽太はパティシエとしての腕を磨くため単身フランスへ。しかし、その修行も実はサエコのため。日本で彼女に、おいしいチョコレートを食べさせてあげたい、という思いからだったのです。 チョコレートのように甘い、爽太のサエコに対する一途な想いとはうらはらに、溶かしたチョコレートのようなドロドロとしたサエコに対する欲望。爽太の中の、正反対な2つの想いがチョコレートを通して、繊細に描かれています。 パティスリー “choco la vie”を舞台に、登場人物たちが様々な感情を抱きながらゆっくりと進んでいく物語。水城先生の描く緻密な心理描写に、知らぬ間に惹き込まれ、改めて恋の仕方は人それぞれと感じる作品です。 バレンタインを目前に控えたこの時期に「失恋」な