アニメや映画の舞台になった場所をファンが訪れる「聖地巡礼」。街おこしの切り札になる可能性を秘めているだけに、多くの自治体が新たな「聖地」をつくろうとロケ誘致に意欲的に取り組んでいる。自治体関係者が成功例として羨望(せんぼう)のまなざしを向けるのが、アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台・静岡県沼津市だ。放送開始から8年目となったいまも続く、作品と地元、ファンの幸せな関係の秘密を探った。 7月13日、沼津リバーサイドホテル。頼重秀一市長が登壇すると、会場から大きな拍手と歓声が上がった。公式スピンオフ作品「幻日(げんじつ)のヨハネ―SUNSHINE in the MIRROR―」の主人公ヨハネこと津島善子の誕生祭での出来事だ。「これまでこんなに拍手を受けたことはありません」。頼重市長が声援に応えると、会場は再び沸いた。 誕生祭は「あげつち商店街」と同ホテルの共催で、平日にもかかわらずファ