普段何気なく見ているドリンク剤のCMにも、多くの規制があることをご存じか。国や自治体の法律、条例などの在り方に鋭くメスを入れる話題の新刊『「規制」を変えれば電気も足りる』(小学館101新書)を上梓した元経産省キャリア官僚の原英史氏(現・政策工房社長)が、身近な生活の中に潜む細かな「規制」について解説する。 * * * いつも何気なく見ているテレビ。実は規制と無縁ではない。むしろ規制だらけの世界だと言っていい。 例えばお馴染みのテレビCMを考えてみよう。足場のない断崖絶壁を2人の男性が登っている。一人が手を滑らせて落ちそうになると、もう一人が手を差し出し、「ファイト~」「一発!」の掛け声でピンチを脱出する。崖を登り切った2人がドリンクをグイッと飲み干す。大正製薬の栄養ドリンク「リポビタンD」のCMだ。 さて、このCM、落ち着いて考えるとちょっと不思議な気がしないだろうか。サラリーマンの場合、