水のような液体シリコンを塗布して半導体の膜を作り、太陽電池を発電させることに北陸先端科学技術大学院大の下田達也教授らが世界で初めて成功した。太陽電池に限らず、半導体の低コスト化や利用範囲の拡大につながるといい、国内メーカーと共同で早期の実用化を目指す。 携帯電話や液晶、太陽電池などに欠かせない半導体のもととなるシリコン材料は従来、固体と気体に限られていた。これに対して下田教授らは、これまでに光と特殊な溶媒を用いた安定的な液体シリコンの作製に成功。高速なトランジスタも作製し、平成18年に英科学誌「ネイチャー」で発表していた。 そこで今回は、液体シリコンの詳しい性質を明らかにした上で、基板上に塗布する技術の開発に挑戦。液体シリコンから不純物を除き、ガラスの基板を用いて製造時間を短縮することなどで、半導体としての性能を持つ安定した膜の製造技術を確立した。 具体的には、まず窒素が充満した装置内で基