実験開始 梅ジュースの濃縮なんて難しそうだが、単に煮つめるだけだ。 クエン酸は175℃で違う物質になってしまうが、今そこまで計れる温度計が無い。 おそるおそるジュースを鍋に移し、火を付ける。 梅ジュースを煮つめ、沸騰してくると、ふんわりと梅の香りが漂う。 半分の量になる頃の香りはもう梅じゃない。えーとこれは……ディズニーランドで嗅いだあれだ、ハニーチュロス。未だ食べたことのない、味も存在も甘い物体。 いったいどんな成分が蒸発しているのだろう。クエン酸よ、そのままで残ってくれ。 時間が経ち、煮詰まった梅ジュースは色も濃くとろりとしている。 指ですくって舐めたところモーレツに酸っぱい。これは酸が残ってるぞ、絶対。