同級生との一時の性行為で妊娠してしまった17歳の女子高生、遥。父子家庭で誰にも相談できずにいるうちに、中絶できる時期も過ぎてしまった。いくつもの産婦人科を受診したが「22週を過ぎたら立派な人間だから、おろしたら殺人になる」などと断られ、追いつめられていく──。 【全画像をみる】予期せぬ妊娠、責められるのはなぜいつも女子?男性の無知と無理解が「生み捨て」招く これは短編映画「まだ見ぬ あなたに」の冒頭場面だが、予期せず妊娠し中絶の時期を逸してしまう少女は、現実にも少なくない。 岩手県では、19歳の少女が自宅のトイレで男児を出産後、窓の外に投げ捨てたとして2019年10月、殺人容疑で逮捕された。事件が起こると「生み捨て」した母親ばかりが責められがちだが、映画のメガホンをとった小澤雅人監督は、背景に「男たちの無知と無理解」があると指摘する。 遥の妊娠が発覚すると、相手の親は中絶できないという事実