各分野で〈実在〉(ある)をめぐる用語の混同・混乱が見られ、私の頭もかなり混乱しているので少しずつ整理していく予定。 西欧哲学 ●エルンスト・マッハ(Wikimedia日本語版) 哲学や認識論の分野では、『感覚の分析』(1886年)と 『認識と誤謬』(1905年)が代表的著作である。 マッハの認識論の核心部は現在では「要素一元論」と呼ばれることがある。 ヨーロッパで発達した近代哲学や近代科学というのは(それを実践する人々は一般に全く自覚していないが)主-客二元論や物心二元論などのパラダイムの中にいる。 マッハはそれの問題点を指摘し、直接的経験へと立ち戻り、そこから再度、知識を構築しなおすべきだとした。 つまり我々の“世界”というのは、もともと物的でも心的でもない、中立的な感覚的諸要素(たとえば色彩、音、感触…等々)から成り立っているのであって、我々が「物体」と呼んだり「自我」と呼んでいるのは