ある行列に基本変形を適用することは、基本行列を掛けることと同値である。 ある(m, n) 型行列 Aに、 Pi, j を左からかけると、i 行と j 行が交換される。 Pi, j を右からかけると、i 列と j 列が交換される。 Qi, c を左からかけると、i 行が c 倍される。 Qi, c を右からかけると、i 列が c 倍される。 Ri, j, c を左からかけると、 i 行に j 行の c 倍が加わる。 Ri, j, c を右からかけると、 j 列に i 列の c 倍が加わる。 つまり、ある行列を、基本変形を繰り返して変形することは、基本行列を繰り返し掛けることと同値である。左からかける基本行列は (m, m) 型, 右からかける基本行列は (n, n) 型の基本行列である。 このことから、行に関する基本変形を左基本変形、列に関する基本変形を右基本変形とも呼ぶ。