頭の良さをこじらせる人というのがいる。彼らは現代版「ヴェニスの商人」である。知識と論理を振りかざして、どこまでも自分の正当性を主張するけれども、結局はその知識と論理に足下をすくわれ、痛い目を見る。 彼らは知識や論理、そしてその正当性に重きを置き過ぎである。彼らは例えばニュースに過大な期待を寄せる。それが社会の公器であると勝手に位置付け、だから必要以上に正しさを求める。そのため、自然とその粗を探すような見方になる。厳しい目で見る。結果、伝え手の勉強不足や認識間違いなどが目に付くようになり、それにいちいち憤慨したりする。しかし誤りなのは、そもそもニュースに重きを置き過ぎなことである。彼ら以外のほとんどは、ニュースをそれほど気にしていない。テレビでいくら「自殺する若者が増えている」と伝えようとも、たいがいの人にとってそれよりも問題なのは「今日の雨」なのである。 そういうスタンスでいた方が健全に生