スウェーデン第3の都市マルメは、風力や太陽光発電を利用して環境に配慮した町作りを進めている。地球温暖化が国際的な共通課題となる中で、化石燃料の消費から再生可能エネルギーの利用への転換を図る北欧の港町の取り組みは国際的にも注目を集め、投資や人口流入をも促している。(マルメ 岩田智雄) [フォト]真新しい住宅が建ち並ぶマルメのウエスタンハーバー ◇ デンマークの首都コペンハーゲンから車で45分。かつて造船所があった市北西部のウエスタンハーバー地区(1・6平方キロ)では、2年後にオープン予定のショッピングセンターを建設する槌音が響いていた。 1989年、マルメでは造船会社コッカムが撤退した。前後3年間で3万人が職を失い、失業率は22%にまで跳ね上がった。 重厚長大産業への依存からの脱却を迫られたマルメは、「知の町」への転換を図ることを決め、復興を支える大きな柱の1つに「野心的な環境目標