銀閣寺の観光でもっとも必要な事は、教科書通りの知識などではなくて、目の前にあるものの奥にあるものを見抜く感性だといえる。 この窓は方丈への玄関の前にある「花頭窓」といって禅宗寺院のお堂でよく使われるデザインなのだが、ほとんどの人が気付かずスルーしてしまうのは残念。 今でこそ連日、ものすごい数の観光客が押し寄せる銀閣寺だが、本来は将軍義政公の別荘であり趣味の館のようなものだったので、招かれる客人は当時の歌人、茶人、絵画や陶芸におぼえのある友人に限られたはず。 そういった客人が玄関へのアプローチで最初に目にするのがこの窓なので、彼らの心をつかむためには一番大事なポイントかもしれない。 この写真は初夏なのでツツジだが秋になれば紅葉、冬には雪、春には桜といった四季の景色がこの小さな窓一つで表現されている。