「はあちゅう」とは、社会人同期で、彼女が電通に入社した同じ年に、僕は博報堂に入社していた。 まったく面識はなかったのだけど、その頃から「はあちゅう」という名はよく聞いていた。彼女は、東京の都市伝説のように存在した。見たことはないのだけど、なぜかよく耳にする。「女子大生ブロガーで有名なあの子が、電通に同期で入社したらしい」。もういけすかない感じがするじゃないですか。 そんなわけで、僕は「はあちゅう」という生物を「敵視」していた。なにが「はあちゅう」だ、と。失礼な話なのでけど、会ったこともないのに敵視している人はけっこういる。とくに「広告界クリエイター」は嫌いな人だらけだった。よくわかっていないけど、「はあちゅう」は、「あっち側」にいる人だと思っていた。 しかし悔しいことに、「敵視をする」ということは、「無視できない」存在であるということでもある。 だから「はあちゅう」の動向は、なんとなく視界
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