「火のないところに煙は立たない」なんて嘘だ。おとなが本気になれば、火の気のないところに煙を立たせるなんて簡単なこと。そして轟々と燃え立たせて、飛び火させて、女子学生ひとりの人生を燃えカスにするなんて朝飯前。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 新聞奨学生の朝は早い。午前2時半には起きて店内の自転車を表へ出し、作業台を広げ、受け入れ態勢を整える。そこへ2時50分、配達車が止まり、道端へ印刷したての新しい新聞を束で投げおろしていく。 それを作業台へ運び、前日に組んであった広告を手作業で挟み込む。ひとり450~500部受け持つから、猛スピードでやってもそれなりの時間がかかる。挟み込みが終わり次第、自転車へ積み上げる。荷台に80㎝ほど、前かごには身長よりも高く積む。3時40分出発。 一軒一軒走って配って、終わるのは早くて6時。朝ご飯を食べて、浴びて、着替えて大学へ。(ここで気を抜くと記憶喪失。夕