僕は、国内外で多様な人と協働/共同による展覧会やアートプロジェクトにキュレーターとして参加しています。この10年は、山口に3年半、青森に6年半拠点を置きアートセンターで学芸員として勤務しながら、同時に国内外のさまざまな土地でのプロジェクトにかかわってきました。現在は、名古屋を主な拠点として、月の半分くらいを名古屋で過ごし、あとの半分はその他の地域での活動に従事しています。今でこそ、アートの仕事を続けてきたと言えるのですが、もともとは少し異なったモチベーションから現在のような活動に至りました。 建築からアートへ 東京の大学で建築を学んでいた90年代後半から2000年代前半は、六本木ヒルズやミッドタウン建設に代表される六本木の再開発や、丸の内再生のような大規模再開発がたくさん起こっていました。多くの建物が崩され、巨大な超高層ビルへと変貌していきました。もちろん経済合理性や不動産価値の向上、人口