「前振りの小ネタに」くらいの気持ちで見に行ったワンコイン・パイプオルガンコンサートが面白くて、前回はその話だけで終わってしまった。記念すべき連載第10回となる今回は、「東京芸術劇場」(1990年竣工、設計:芦原義信)の建築的挑戦について書きたい。 (写真:宮沢洋、以下も) 東京芸術劇場(以下、芸劇)は1990年10月30日に開館した。今年は31年目となる。かつて学芸大学付属豊島小学校(元・豊島師範学校)がここにあった。その跡地が1970年に池袋西口公園となり、その後、池袋駅西口一帯の再開発に伴い公園も再整備され、その一角に芦原義信(1918~2003年)の設計により芸劇がオープンした。 芦原は武蔵野美術大学や東京大学で教授を務めた建築家で、芸劇の完成時は70歳を過ぎた大御所だった。しかし、いろいろな意味で年齢を感じさせないアグレッシブな建築だ。 ホールを重ねてアトリウムをつくる この建築の
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