バスや飛行機を急いで降りても、時間的にはさほど得をしていない-。高崎経済大経済学部の久宗周二教授がゼミの学生とともに高崎市内などで行動観察に取り組み、こんな観察結果をまとめた。著書「街角の行動観察-ちょっと得するマイペース思考」(創成社)で紹介している。 観察によると、バスの乗客の3割は停車寸前に席を立ち降車口に向かって並ぶが、料金精算にかかる時間は1人当たり4秒程度で、先頭から最後尾の乗客が降車するまでの平均時間はわずか20秒だった。 飛行機でも、着陸直後に急いで席を立つ乗客が多く見られたが、到着ゲートをくぐるまでの先頭と最後尾の時間差は2~8分(平均約4分)で、多くの場合は後から来た乗客と荷物受取所で一緒になる計算という。 久宗教授は「無駄に急ぐと、かえってストレスをためてしまう。数秒の猶予も許されない状況でない限りは、あえてゆったりと行動する『スローペース・ライフ』を実践してみ