【ニューヨーク=畑中徹】米国のIT企業がイスラエルのベンチャー企業を買収する動きを強めている。同国は隠れた「技術立国」。「第2のシリコンバレー」を取り込もうと、米国だけでなく、韓国や中国の企業もイスラエル投資に熱を入れ始めている。■合併・買収で先端技術の開発拠点に 世界のハイテク産業の中心は、米西海岸のカリフォルニア州サンノゼ市周辺の「シリコンバレー」だ。そのシリコンバレー企業が、いま熱視線を送るのは、イスラエルのベンチャー企業たち。米IT企業が、企業合併・買収(M&A)を次々と仕掛けている。 世界最大の交流サイトを運営するフェイスブックは10月中旬、イスラエルの「オナボ社」を買収した。2010年創業で、スマートフォン(スマホ)やタブレット端末向けのデータを管理したり圧縮したりする特殊技術に強い。この技術は、インターネット環境が悪い新興・途上国でも、フェイスブックのサービスを広める足がかり