27 資本コストとフリーキャッシュフロー重視の 部門業績評価 奥 長 滋 嘉 (同志社大学商学部客員教授) 蠢.はじめに わが国企業は,経営活動の多角化,グローバル化及び競争の激化に伴い,事業部制や分社制 等の分権的な管理組織を採用して,効率的なグループ連結経営を展開して行くことが不可欠と なっている。これら分権管理組織における会計の主要な役割は,それぞれに適合した管理指標 を提供して意思決定と業績評価に役立てることにある。 分権管理組織の業績評価指標としては,一般には,売上高,キャッシュフロー,経常利益率 等の財務指標やシェア,新製品開発状況等の非財務情報が用いられるが,最近では,EVA ! (Economic Value Added:経済的付加価値)を含む残余利益(RI : Residual Income)情報や FCF (Free Cash Flow 以下 FCF という)等
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