そろそろお気づきの読者も増えているかとは思うが、実は日本における「TPP(環太平洋経済連携協定)問題」とは、農業の問題でもなければ、家電や自動車などの輸出産業の問題でもない。ついでに書くと、日本にとってTPPとは、実は関税の問題でさえないのだ。 何しろ、第1回『「平成の開国」意味分かって言ってる? TPPとは「過激な日米FTA」にほかならない』の図1-2で示した通り、日本の平均関税率は農業を除き、アメリカよりも低い。日本は現時点で、アメリカ以上に「開国」しているというのが現実なのだ。すなわち、日本が関税を撤廃しても、アメリカは農産物の輸出以外に、ほとんどメリットがないように思えるわけである。 それにも関わらず、アメリカには日本にTPPに参加してもらいたい理由がある。それは単純明快。アメリカは自国の雇用のために、日本に「非関税障壁」撤廃して欲しいのだ。すなわち「規制緩和」である。 「サービス