黄砂が飛んで来ている時には、空気に含まれるカビや細菌などの微生物が、黄砂がない時の5倍多いことが、金沢大グループの調査でわかった。種類も通常時とは異なっていて、黄砂とともに中国大陸から渡ってくるとみられている。黄砂は肺の病気やアレルギー発作などに影響する可能性が指摘されており、グループは採集条件を変えて詳しく調べる。 グループは黄砂が来た2008年5月と、来ていなかった09年4月に、石川県珠洲市の上空約800メートルの空気中から微生物の破片を採集。遺伝子を手がかりに比べたら、黄砂時には約5倍の濃度で微生物がいた。確認できた種類は、黄砂時に20種余り。来ていない時に見つかった9種とはすべて別のものだった。 黄砂の影響を巡っては、京都大などのグループが小児ぜんそくの発作の危険性が高くなると報告。筑波大などのグループは、黄砂に口蹄疫(こうていえき)ウイルスの遺伝子が含まれる可能性があると警告