環境浄化技術を研究している門上技術開発研究所(北海道函館市)は、密封したポリ袋内で魚を長く生かすことに成功した。水を浄化する「ろ過バクテリア」を使い鮮度を保つ新技術で、宅配便で手軽に送れる点が特徴という。 一般的に活魚は、いけすが付いた専用車で運ぶ。新技術では、アンモニアを分解する亜硝酸菌や硝酸菌といった「ろ過バクテリア」を吸わせたスポンジと魚、酸素の泡が入った特殊な海水をポリ袋に入れ、酸素で満たして密封するというもの。 所長の門上洋一さん(59)によると、エゾメバルを使った所内での実験では常温で3日間、水温を4度に保つと6日間、弱らず生きた。今月1日には、常温の宅配便で新潟県阿賀町の旅館に送る実験をし、魚は丸2日の輸送に耐えて到着後も活発に泳ぎ回ったといい、近く、北海道室蘭市の卸売市場の業者と協力して実験を始めるという。