夏に欠かせない麦茶。その知られざる実力が最近の研究で明らかになってきた。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。 * * * 日本の夏といえば冷えた麦茶である。香ばしい麦の香りにほのかな甘み。子どもからお年寄りまで幅広い層に愛される飲み物だ。 その麦茶、「ノンカフェイン」ということは知られていても、他の成分や特徴はあまり目にすることがない。どうにも地味な印象があるものの、だが実は意外と本気の健康飲料でもある。 ・地味にすごい麦茶その1 麦茶に含まれるピラジンという成分には、血流を改善させる作用がある。農林水産省などの研究で、麦茶を飲むことで血液の流動性が高くなることが判明。ちなみにピラジンは原料をローストする際、褐色に色づくメイラード反応とともに生成されるという。さらに血圧降下作用のあるギャバ(GABA)も含まれている。 ・地味にすごい麦茶その2 抗酸化作用──つまりがんや脳卒