“丸ドメ(丸ごとドメスティック)”産業の典型である鉄道各社が海を渡ろうとしている。政府が新成長戦略の柱と位置づけるインフラ輸出の1つのアイテムが新幹線である。日本の鉄道ビジネスの国際化といえば、車両をつくる川崎重工業や日立製作所などメーカーが中心だったが、最近は鉄道会社そのものが主役に躍り出てきた。新幹線の輸出をめぐり、犬猿の仲といわれたJR東日本(東日本旅客鉄道)とJR東海(東海旅客鉄道)が競い合っている。 新幹線の売り込みが有望視されているのがインドだ。インドの高速鉄道計画は09年に発表された。ニューデリーやムンバイなど主要都市間を走る7路線が計画され、2020年までに4路線の事業化を目指す。最優先で整備される予定のムンバイ―アーメダバード間約680キロに、日本勢は新幹線の採用を狙う。実現すれば特急で現在10時間かかるのが、2時間程度に短縮される。 事業化調査はフランスの企業が受注した