大阪・ミナミの繁華街に白昼、爆音が響き渡った。客にバカラ賭博をさせたとして、大阪府警保安課などは11月10日、賭博開張図利容疑で、大阪市中央区のバカラ店「ハービス」を摘発した。一獲千金を狙う客が集まり、金が飛び交う違法カジノ店。頑強な扉に守られた賭場への突入に用いられたのは、アクション映画さながらの“秘策”だった。 「爆破しかないな…」 大阪のメーンストリート御堂筋と堺筋を東西に結ぶ八幡筋の雑居ビル4階。バカラ店「ハービス」の入り口周辺では、天井から切断された配線が垂れ下がり、壁がすすで真っ黒に。扉は吹き飛び、爆破の威力を十分に示していた。 11月10日午後3時半。ネオンが灯り活気づく夜を前に、周囲の飲食店に開店準備のため店員らが集まり始めた頃だった。 「警察や、開けなさい」 ドンドンと、ハービスの重厚なドアを捜査員がたたきながら、店内に呼びかけた。看板はなく、ドアの周囲に「会員制」「18