9周目の後半、単独で先頭に立ったNIPPOのアレドンド(写真・早坂洋祐) 9周目に入ると、レース展開は激動を迎えた。それまで先行していた内間康平(チームNIPPO)、井上和郎(チームブリヂストン・アンカー)の日本人2選手を、外国人選手を中心とする集団があっという間に飲み込んだ。そしてNIPPOのクライマー、ジュリアン・アレドンドがアタック。スルスルと抜け出し、後続に20秒の差をつけた。遅れた追走グループにも欧州のプロ4チームのメンバーが入り、虎視眈々とチャンスをうかがっている。 その頃、さらに後方の集団にいた宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク)は、迷っていた。前方の追走グループに、チームメイトのヤロスラフ・マリチャが加わっている。セオリー通りならば、追う必要はないだろう。しかしチームの戦術は、いま自分と並んで走っているラファル・マイカをエースとして勝負させることだった。 先行するマリ