福島第一原子力発電所2号機の取水口付近にある立て坑(ピット)の亀裂から放射線量の強い汚染水が海に流出した問題で、経済産業省原子力安全・保安院は3日午後5時半頃、記者会見を開き、流出を防ぐため、立て坑の上流側にある管に、新聞紙やおがくず、水を吸収すると体積が膨張する化学物質「高分子ポリマー」などを注入したと発表した。 汚染水の流出量の減少は認められなかったが、4日朝まで状況の変化を監視し、効果を見極めたいとしている。 立て坑は電源ケーブルの点検用に設けられたもので深さ約2メートル。2日午前9時半頃、強い放射線を放つ汚染水が中にたまり、立て坑の側面にある亀裂(約20センチ・メートル)から海に流出しているのが見つかった。 東京電力は2日夜、亀裂を塞ぐ応急処置として立て坑に生コンクリートを注入。汚染水の流出量を確認したが、流出量は変わらなかったため、新たに高分子素材を流し込む止水方法が検討された。