ある意味、ロックスターのように波乱に満ちたその半生……映画『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』(以下、『クリエイション・ストーリーズ』)は、世界一にまでのぼり詰めたインディーレーベル「Creation Records」とその共同創始者であるアラン・マッギーの狂騒の日々を描いた青春音楽映画だ。 「ほぼ実話」と謳うスリリングな脚本を編み上げたアーヴィン・ウェルシュ、製作総指揮を務めたダニー・ボイル、そしてアラン・マッギーを演じた主演のユエン・ブレムナーと、映画『トレインスポッティング』(1996年)のチームが集結したことでも本作は注目を集めている。 「正気を守るために」とでもいわんばかりにドラッグやアルコール、そして音楽に明け暮れ、栄光を掴もうとあがく若者たちーーその姿には、「ロックンロールバンドなんかに君の人生を委ねたりはしないでくれ」なんて声も聞こえてきそうな