「Suicide PCR(自殺PCR)」法で黒死病の犠牲者からペスト菌DNAを検出 by Kristina Wasson and Michael D. O'Neill 【SUMMARY】 「黒死病」と呼ばれ、甚大な被害をもたらした中世の世界的流行病の原因が、ペスト菌(Yersinia pestis)だったことを、フランスの研究者たちがDNAレベルで初めて示した。彼らはこの研究のために、「Suicide PCR(自殺PCR)」と名付けた、新しいPCRの手法を開発した。ヨーロッパでは、黒死病のために14世紀に1700万人から2800万人が死亡したとみられている。科学者たちは、新しいPCR手法とABI PRISM® 377DNAシーケンサによるDNA配列決定によって、黒死病の犠牲者と推定される3人の歯の歯髄から、ペスト菌に特有のDNAを検出した。これらの犠牲者の骨はフランスの共同墓地から掘り出さ