むかし、中城の喜舎場邑に、喜舎場子という人がいました。 ある日のこと、喜舎場嶽に登って、四方八方(しほうはっぽう)の景色を眺めていると、不図(ふと)、東の海に、一つの島があるのを発見したのでした。 喜舎場子には仲がとてもよい妹がいました。喜舎場子は、妹の真志良代(ましらよ)を呼んで言うことには、 「私が考えるところ、向こうの島をよく見てみると、あそこは人が住める、よい島だと思う。後々きっと、一つの村を作ることが出来るに違いない。お前と一緒(いっしょ)に、あの島に渡って暮らしてみたいと思うが、どうだろうか。」と。 それを聞いて、妹も大賛成したのでした。 兄妹は、それから一週間というもの、斎戒沐浴(さいかいもくよく)し、神に祈ってから二人で小舟に乗り、島に渡りました。 そうして、この島に初めて人が住むようになり、二人の子孫は、綿々(めんめん)として繁栄(はんえい)が続きました。そうして、やがて
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