【ワシントン=峯村健司】中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席が19日の米中首脳会談後の共同会見で「人権の普遍的な原則を尊重する」と発言したことについて、中国外務省が中国主要メディアに対し、「強調しすぎないように」と報道に自制を求める内部文書を出していたことが分かった。中国同行筋が明らかにした。 中国では最近、人権や民主主義がどの国にも共通する「普遍的な価値」であるかどうか、指導部内や世論で激しい論争が起きており、胡氏が公開の場で明言するのは異例。今回の発言が国内で波紋を呼び、極端な民主化運動などにつながることを警戒しているものとみられる。 「メディア報道参考内部資料」と題されたこの文書は、首脳会談直後に中国の主要メディア各社に示された。A4用紙7ページにわたり、共同声明の各項目の説明と、報道すべき部分について指示が書かれている。「成果のみを積極的に報道し、世論を正しく誘導する」よう求