今回取り上げるのは、その中でも極めて基本的であり、しかも根本的な問題だ。それは、日本企業が魅力のある商品づくりができなくなってきたことだ。 近年、我々経営学者も含めて、「日本企業は単発の商品開発やものづくりはできても、戦略やビジネスモデルが駄目なので、価値づくりができなくなった」とする議論が主流になっている。それらが近年重要になってきたことは間違いないが、そちらへばかり注意が向いてしまい、「商品魅力による価値づくり」という基本がおろそかになってきた。 この点は、以前のコラム「機能を超えた『価値』を創り出す方法」でも概要を説明したが、今回は国際競争力を急速に低下させているデジタル家電や情報・通信機器を念頭に置いて、より具体的に問題点を明らかにし、必要とされるマネジメントのポイントを説明しよう。 「iPad」「Wii」は使っていて気持ちがいい 近年、魅力ある商品の基準が変わってきた。最先端の技