「こうぜい」は和様の書にみられる、隅々にまで書き手の心遣いが行き届いた繊細な文字表現に学び、生まれました。一文字一文字への真摯な眼差しが求められるその組版は、時に悩ましく、しかし新鮮で刺激的な経験になることと思います。 書における文字のつながりは、欧文の筆記体などとは異なり、文脈に依存しません。文字のつながりの切れ目は言葉や単語の切れ目とは無関係に存在し、書き手ならではのリズムが感じられます。 また、一文字一文字は自由に変化するのではなく、その文字が前後の文字とつながるかどうかによって、形の変化の傾向が見出せます。 すなわち書き手は文字のつながりをコントロールすることで、言葉を書き手独自の文字の形で綴り、その感性を視覚的に表現していると考えられます。 →