九州では絶滅したといわれている野生のツキノワグマ。だが近年、大分、宮崎、熊本の県境の山奥などで「クマのような」大型動物の目撃情報が寄せられ、研究者らでつくるNGO「日本クマネットワーク」(坪田敏男代表)が25年ぶりに本格的な生息調査に乗り出した。「ネットワーク」は「中身のある調査結果が出るのでは」と意欲満々だ。 【クマの生息調査地域は】 調査は6月8日から開始。大学の研究者や地元猟友会会員の計約40人が参加し、10日まで宮崎・大分両県にかかる祖母(そぼ)・傾山(かたむきさん)山系の登山道や林道周辺を対象に、クマのふんや食べかす、つめ痕などの生息痕跡を探す。更に、赤外線センサー搭載の自動撮影カメラ約40台を長期にわたって設置する。 九州最後のクマは、87年に大分県豊後大野市の山中で射殺されたツキノワグマと言われている。だが「ネットワーク」によると10年11月、古祖母(こそぼ)山で登山を