電磁波が材料中を伝播する際の挙動を記述するパラメータとして重要な誘電率(ε)と透磁率(μ)が共に負となる材料のこと。左手系材料とも呼ばれる。英語では,Left-Handed Materials (LHMs)と表記する。 誘電率は電界をかけたときに材料中にどの程度の強さの電束密度が発生するかを現す係数,透磁率は磁界をかけたときにどの程度の強さの磁束密度が生じるかを示す係数であり,材料の電磁気的な特性を決めている。電磁波の材料中の挙動は,マックスウェルの方程式により,誘電率と透磁率を使って記述される。ここで,屈折率は(εμ)1/2で表わされ,屈折率が実数の際に材料中を伝播でき,虚数の場合には伝播できない。例えば,ガラスなどの透明材料中を可視光が透過して透明に見える現象は,ガラスの透磁率と誘電率が可視光領域で共に実数であるとともに正の値を示すことで説明されている。 このように通常の材料は誘電率,