ラッパーのアイル・バレさん。フィンランド・イナリにて(2019年12月6日撮影)。(c)Jonathan NACKSTRAND / AFP 【5月6日 AFP】大きなヘッドホンを着けグレーのパーカを羽織り、顎ひげを生やしたラッパーのアモックさんは、フィンランド極北イナリ(Inari)にある自宅のスタジオで、攻撃的で断続的な韻律をマイクに吐き出す。 アモック(本名ミッカル・モラッタヤ<Mikkal Morottaja>)さん(35)が作り出すパンチの効いたリズムは、世界中のラップファンにはなじみのある音に聞こえるだろう。しかしこの歌詞は、存続が危ぶまれるフィンランド極北のイナリサーミ語で、その話者はわずか300人だ。 先住民族サーミ(Sami)人はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの北部に暮らし、10の言語がある。しかし、各国政府の容赦ない同化政策により、20世紀半ばまでに、これ