日本人は急速に変貌する世界の現実を本当に直視しているのか。グローバリズムの大波に翻弄されてばかりいるのは、世界に対して目を閉じ、耳を塞いでいるからなのではないか──。伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長に、辛口の直言を聞いた。(聞き手は、日経ビジネス オンライン副編集長=水野 博泰) NBO 丹羽さんは「グローバリズム」をどのようにとらえていますか。 丹羽 単刀直入に言えば、人とカネと技術が国境を越えてグローバルに動き回る時代だということです。 江戸時代の末期、明治の開国の時に、黒船が日本に来ました。その時は1つの港に来たのだけれども、今のグローバリゼーションというのは、いくつもの“ドア”から人とカネと技術が入ってきている。無数の黒船が日本の海域に姿を現している。 私が心配しているのは、多くの日本人が本当の意味でそれに気がついていないということです。昔は大砲を撃ってきたので大変な騒ぎになりましたが、
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