6月の株主総会で取締役を退任したコマツの坂根正弘相談役。2001年に存亡の危機にあったコマツの社長に就任すると、山積する経営課題に敢然と立ち向かい、コマツを世界に冠たるグローバル企業に生まれ変わらせました。 その経営改革の本質は現状の正確な把握にあります。絡み合った問題を解きほぐし、問題点を見抜く。そのうえで、必要な改革は躊躇なく断行する。「見える化」と「リーダーシップ」こそ、坂根氏の真骨頂だったと言えるでしょう。 この7月に、坂根氏は自身の経営手法をまとめた『「経営」が見える魔法のメガネ』を上梓しました。その出版記念講演が7月26日に目黒雅叙園で開催されました。その一部をここに公開いたします。日本企業が抱える構造的な要因は何か、50年、100年先の世界はどうなっているのか、その中で日本は何をすべきなのか――。日本が世界に誇る経営者、坂根相談役の言葉に何かを感じていただければ幸いです。 今