フジ・メディア・ホールディングス(HD)を30年にわたって率いてきた日枝久会長と、ドラマ「踊る大捜査線」のヒットで知られるフジテレビジョン(以下、フジテレビ)の亀山千広社長が業績不振の責任を取って退任する。一部からは日枝氏は相談役として院政を敷くとの報道もあるが、会長ポストを去ることの意味は大きいだろう。 フジテレビは2013年に亀山社長が就任して以後、坂道を転げ落ちるように視聴率が低迷した。グループとしては多角化が進んでいるものの、業績の多くをフジテレビに依存している図式は変わらない。業績低迷に苦しむフジテレビの実情を探った。 一人負け状態のフジテレビ フジ・メディアHDの2017年3月期の業績はかなり厳しいものだった。売上高は6539億円と前年をわずかに上回ったが、営業利益は223億円と前年比8.5%のマイナスとなった。同社は事業の多角化を進めており、中核である放送事業の売上高は全体の