若き日の底辺は時給1万円の仕事を探していた。 求人雑誌を隅から隅まで眺めても見つからなかったので、薬物治験の被験体になった。 時給1万円でない点は不満だったが、研究病棟に幽閉される生活は心地よい物であった。 寝ている間も時給が発生するシステムは素晴らしかった。 実験番号で呼ばれるのは、自分が改造人間になったみたいで痛快だった。 ただ、実験期間には制限があったし、 一度試験に参加すると3か月のインターバルを空けなければいけない規則があったので、 実験期間が終われば研究病棟を追い出された。 若き日の底辺は研究員達に、如何に自分が忠良で従順なモルモットであるかを主張する事により研究病棟に居座ろうとしたが追い出された。 この地球上には厚生省や製薬会社や医者や牧師で構成された「倫理委員会」とやらが存在して、 被験体の人権とやらを保護する為に被験体が幸福なモルモット生活をする権利を侵害し続けていた。
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