2台の大型クレーンで建物から下ろされる遊覧船「はまゆり」=岩手県大槌町で2011年5月10日午後2時38分、三浦博之撮影 東日本大震災の大津波で岩手県大槌町の2階建て民宿に乗り上げた同県釜石市の観光船「はまゆり」(109トン)の撤去作業が10日、本格的に始まった。大型クレーン2台で重さ約110トンの船体がいったんつり上げられ、地面に下ろされた。今後、その場で解体される。 震災当日は町内のドックで整備中で、約150メートル離れた民宿に乗り上げた。専門家らから「震災を伝えるモニュメントとして残したい」という声も上がったが、釜石市は「残すと危険」と撤去を決定。クレーン設置のため周辺のがれきを取り除いて整地し、足場を作るなどしていた。 97年の運航開始当初から乗船し、07年からは船長を務めていた大槌町の刈屋秀章さん(59)は「はまゆりから見る三陸の景色は本当にきれいだった。解体は残念だが、これから