本連載は上場企業の決算データをもとに、筆者独自の分析手法を駆使し、具体的な解析結果を提示しながら、企業の実像を炙り出すように努めてきた。今回取り上げる東京ディズニーリゾートの運営会社・オリエンタルランドは、入園者に「夢」を与えるビジネスモデルである。その夢をどれだけ解析できるか、それへの挑戦である。 そのために今回は趣向を凝らし、経営分析の世界では古典的名作とされる「利益増減分析表」を用いることにした。本連載では初登場の分析道具であり、これを使ってミッキーマウスやシンデレラ城の舞台裏にある「ソロバン勘定」を探ろうという試みである。 以下では基本的に「東京ディズニーリゾート」の名称を用いる。次回のマクドナルド編と合わせて、アメリカ資本主義の「ブランド戦略」が、如何に凄まじい利益を叩き出すかを、ご覧に入れよう。 もちろん、数値を操って一意的な解を示すよりも、東京ディズニーリゾートのビジネスモデ