今の若い学生にとって、「ポルノ」とは、「ポルノグラフィティ」であって、「ポルノグラフィ」ではないようだ。授業中に何度訂正しても、間違える。ポルノは遠くなりにけり。その一方で、「男女差別の原因は」という問いかけに対して、圧倒的にAV(アダルトヴィデオ。もうヴィデオで見る人はいないと思うけど)をあげる人数が多いのにも驚かされる。多分わたしたちの年代以上に。女の子もポルノグラフィを、「カレシと一緒に」観たり、いちおう楽しんだりしていることは公言している。なのに、問題だとも思っているのである。どう考えたらいいものか。 さて、ポルノといってもマンガは一人で読むものである。本書はポルノのうちのマンガを取りあげ、どれらがどう読まれているのかを分析した本である。本当に楽しく、面白く読めた。フェミニズムとポルノグラフィの関係について理論的な整理もされており、ポルノと性暴力、検閲などについてどう考えればいいの