■国際的な新ルール策定必要 知識社会に入り、知財の価値が高まり、知財をめぐる争いも国際的な政治問題になっている。最も深刻なのは、ニセモノ問題である。これは見方を変えれば、知財という財産の窃盗問題だ。例えば、中国ではソフトウエアの80%が海賊版といわれ、依然“コピー天国”である。10月にマイクロソフトは新しい基本ソフト「ウィンドウズ7」を世界で販売開始したが、中国ではそれ以前から、海賊版が50元(650円)で“先行販売”されており、業を煮やした米国は、閣僚級の米中通商合同委員会で中国に抗議するという。 ◆貿易摩擦から知財摩擦へ 貿易面をみると、モノと知財ではまったく違う。モノの原価は、機械代に原材料費と人件費を加えたものだが、知財の原価は技術開発費や創作費が大部分で、薬の原料費、ソフトウエアのCD代はごくわずかに過ぎない。 20世紀にはダンピングを中心とする貿易摩擦が頻発していたが、