昨年夏のミサイル実験、そして10月の核実験。年末の6カ国協議も進展はなく、今年も北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の動向に日本、そして国際社会は振り回されそうだ。北朝鮮の行動原理を、周到な核戦略に基づくものとして分析し、核実験に至る流れを予言していた武貞秀士・防衛省防衛研究所主任研究官に、2007年の半島情勢について見通しを聞いた。(聞き手は日経ビジネスオンライン副編集長=山中 浩之) NBO 昨年末に韓国に行かれて、北朝鮮に「太陽政策」を取ってきた盧武鉉政権への批判の高まりを実感されたそうですが。 武貞 そうです。今まで南北融和を積極的に支持してきた人々の間で、どうも話がおかしいという見方が広がっている。盧武鉉大統領への支持率低下と符合していますね。 NBO 昨年の夏、日本が北朝鮮問題で大揺れだった頃は、韓国の雰囲気は総じて「米国や日本が経済制裁で北を追い込むから、北は核を手放さないし、実